危険物取扱者乙4の試験概要|問題数・時間・合格基準・手数料・科目免除
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危険物取扱者 乙種第4類(乙4)の試験を受ける前に、試験の仕組みを正しく知っておくと、勉強の目標がはっきりします。この記事では、一般財団法人 消防試験研究センターの公表をもとに、乙4の資格で何ができるか、科目と問題数、試験の形式と時間、合格基準、受験資格と手数料、科目免除、合格発表と試験結果通知書までをまとめます。
この記事の要点
- 乙4の試験は、法令15問・物理化学10問・性質消火10問の計35問で、マークカードによる五肢択一式です。試験時間は2時間で、実技試験はありません。
- 合格基準は、試験科目ごとにそれぞれ60%以上で、法令9問・物理化学6問・性質消火6問以上が必要です。1科目でも届かなければ不合格です。
- 受験資格はなく、試験手数料は5,300円(非課税)です。ほかの類の乙種の免状を持つ人は、法令と物理化学が免除され、性質消火10問・35分で受験できます。
乙4の資格で、何ができるか
危険物取扱者の免状には、甲種・乙種・丙種の3種類があります(消防法13条の2第1項)。乙種は、第1類から第6類までの類ごとに分かれていて、そのうち 第4類(引火性液体) を対象にするのが乙4です。第4類には、ガソリン・灯油・軽油・重油・アルコール類・動植物油類などが含まれます。
乙種の危険物取扱者が取り扱い、また立ち会うことができるのは、その免状に指定された類の危険物です(危険物の規制に関する規則49条)。製造所・貯蔵所・取扱所(まとめて「製造所等」と呼びます)では、危険物取扱者以外の人は、甲種または乙種の危険物取扱者が立ち会わなければ、危険物を取り扱えません(消防法13条3項)。乙4の免状があれば、第4類の危険物について、この立会いができます。
試験科目と問題数、試験の形式
乙種の試験は、次の3科目・計35問です。乙1〜乙6のどの類でも、科目の名前と問題数は同じです。乙4では、性消の科目で第4類の物質を中心に問われます。
| 試験科目 | 問題数 | この記事での略称 |
|---|---|---|
| 危険物に関する法令 | 15問 | 法令 |
| 基礎的な物理学及び基礎的な化学 | 10問 | 物化 |
| 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 10問 | 性消 |
| 合計 | 35問 |
出典: 消防試験研究センター「試験科目及び問題数」。
3科目では、どんなことが問われるか
- 法令: 消防法と、危険物の規制に関する政令・規則が中心です。危険物の類と品名、指定数量と倍数の計算、製造所等の区分と設置・変更の許可、危険物取扱者と免状、保安講習、危険物保安監督者などの保安体制、定期点検、保安距離と保有空地、貯蔵・取扱い・運搬の基準、命令などが範囲です。問題数がいちばん多い科目です。
- 物化: 物質の状態変化、熱(比熱・熱量・熱の移動・膨張)、静電気、化学反応と物質量、酸と塩基、酸化と還元、燃焼の仕組み、引火点と燃焼範囲、消火の理論と消火剤などです。計算を含みます。
- 性消: 第1類〜第6類の性質の概要と、第4類に共通する性質、特殊引火物・第1石油類・アルコール類・第2〜第4石油類・動植物油類の物質ごとの性質、火災の予防と消火の方法、事故の例と対策などです。
法令の全体像は法令の攻略の記事、物化は物理・化学の記事、性消は第4類の性質の記事で、それぞれ詳しく扱っています。
試験の形式と、当日の決まり
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験の方法 | 筆記試験。マークカードを使う。甲種・乙種は五肢択一式(丙種は四肢択一式) |
| 実技試験 | なし |
| 試験時間 | 乙種は2時間(科目の一部が免除される場合は、免除される問題数に応じて短縮) |
| 途中退室 | 試験開始から35分間はできない。その後は試験官の指示に従う |
| 持ち物 | 写真を貼った受験票、鉛筆またはシャープペンシル(HBまたはB)、消しゴム |
| 使えないもの | 定規類、電卓、スマートフォン、携帯電話、スマートウォッチその他の機器 |
出典: 消防試験研究センター「試験の方法」「注意事項」「よくある質問(危険物取扱者試験)」。
当日は、受験票に書かれた集合時刻までに集合し、係員の説明を聞いてから受験します。会場への行き帰りは公共交通機関を使い、会場の近くに路上駐車はしないよう求められています。電卓が使えない点は、物化の計算問題や、法令の指定数量の倍数の計算で影響します。簡単な計算を手で正確にする練習をしておきましょう。問題の形式ごとの解き方は、五肢択一の解き方の記事にまとめています。
合格基準は「科目ごとに60%以上」
乙4の合格基準は、試験科目ごとの成績が、それぞれ60%以上 であることです。科目免除を受けた場合は、免除された科目を除いて判定します。問題数に当てはめると、合格に必要な正解数は次のとおりです。
| 科目 | 問題数 | 60%以上に当たる正解数 |
|---|---|---|
| 法令 | 15問 | 9問以上 |
| 物化 | 10問 | 6問以上 |
| 性消 | 10問 | 6問以上 |
正解数は、問題数×60%を計算したものです。合格基準そのものは、消防試験研究センター「試験の方法」によります。
合計点で判定する試験ではないため、1科目でも基準に届かなければ不合格です。たとえば、法令15問・性消10問をすべて正解しても、物化が5問なら不合格になります。逆に、法令9問・物化6問・性消6問の計21問なら、どの科目も基準を満たすので合格です。
参考までに、消防試験研究センターの「試験実施状況」によると、令和7年度(令和7年4月〜令和8年3月)の乙4は、受験者222,545人、合格者71,059人で、合格率は31.9%でした。受験者のおよそ3人に1人が合格した計算です。前の年度の令和6年度(令和6年4月〜令和7年3月)は、受験者223,846人、合格者71,023人で、合格率は31.7%でした。この数字は年度によって変わります。
合格率は、その年度に受験した人全体の数字です。受験資格がなく、誰でも受けられる試験なので、学生から、仕事で危険物を扱う社会人まで、さまざまな人が含まれています。数字の高い低いに気を取られるより、3科目それぞれで基準を超えられるように、範囲をひととおり押さえることに力を使いましょう。
受験資格・試験手数料・受験できる場所
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | 乙種と丙種は、受験資格なし(誰でも受験できる)。甲種は受験資格が必要 |
| 年齢・国籍 | 年齢の制限・国籍の制限はない。問題文は日本語のみ |
| 試験手数料 | 乙種 5,300円(非課税)。一度払い込んだ手数料は返金されない |
| 受験できる場所 | 住所や勤務地に関係なく、希望する都道府県で受験できる |
| 申込みの方法 | 電子申請と書面申請。令和10年度からは、原則として電子申請のみになる予定 |
出典: 消防試験研究センター「危険物取扱者試験」のページ、「よくある質問(危険物取扱者試験)」。
試験は、中央試験センター(東京)と道府県の支部で実施されます。試験日は都道府県ごとに決まっていて、年度の中で何度も実施されます。日程の調べ方と、申込みの手順は、試験日程と申込みの記事で詳しく説明しています。
なお、同じ試験日に、電子申請と書面申請で重複して申請することや、同じ種類の試験を2回以上受験することはできません。また、同じ試験日に違う種類の試験を受けることも、「複数受験」として認められているものを除いてできません。複数の類を同じ日に受けられるかは支部によって異なるため、受験する都道府県の試験案内で確認してください。
科目免除:すでに免状を持っている人
ほかの類の乙種の免状をすでに持っている人は、乙4を受けるときに、法令と物化の2科目が全部免除されます。この場合、受けるのは性消の10問だけで、試験時間は35分です。免除を受けるには、願書に免状のコピーを添付します。
| 免除を受けられる人 | 免除の内容 | 受ける問題 | 試験時間 |
|---|---|---|---|
| 乙種の免状(どの類でも)を持つ人 | 法令・物化が全部免除 | 性消 10問 | 35分 |
| 火薬類の免状を持つ人 | 物化・性消の一部が免除(乙1・乙5のみ) | — | — |
出典: 消防試験研究センター「試験科目及び問題数」。火薬類の免状による免除は、第1類・第5類の受験が対象で、乙4は対象ではありません。
注意したいのは、試験に合格していても、免状の交付を受けていなければ免除は受けられない ことです。また、免除を申請するには免状の番号が必要です。すでに乙種の別の類を持っていて乙4を追加で受ける人は、手元の免状を確かめてから申し込んでください。なお、甲種の試験には科目免除はありません。
危険物取扱者の免状を初めて取る人が乙4を受ける場合は、免除はなく、3科目35問・2時間で受験します。免除の有無で試験時間も問題数も変わるので、申込みのときに免除の欄を正しく選んでください。
合格発表と試験結果通知書
試験のあと、受験者全員に、合否と正答率を記載した 試験結果通知書 が送られます。正式な合格発表は、この通知書と、所定の場所での合格者の受験番号の公示によって行われます。消防試験研究センターのホームページ上でも合格者が掲示されますが、これは受験者サービスとして行われているものです。消防試験研究センターの「よくある質問」では、試験結果通知書は、地域によって差はあるものの、発表から2〜3日後には届くようにしているとされています。合格発表の日は試験日ごとに異なるので、受験する試験の案内で確認してください。
合格したら、免状の交付を申請します。資格を取るまでの流れは、次のとおりです。
- 受験の申込み(電子申請または書面申請)
- 受験票を受け取る(電子申請は試験日のおおむね10日前にダウンロードの案内メール、書面申請は試験日のおおむね1週間前に郵送)
- 試験を受ける(写真を貼った受験票を持参)
- 試験結果通知書と合格発表
- 免状の交付を申請する
- 免状が交付される
不合格だった場合も、試験結果通知書の正答率を見れば、どの科目が足りなかったかが分かります。次の受験では、その科目から立て直すのが近道です。乙4は年度の中で何度も実施されるので、次の試験日も選びやすい試験です。
試験で問われる「危険物取扱者と免状」の決まり(甲種・乙種・丙種で取り扱える危険物、免状の書換え・再交付など)を、10問で確かめてみましょう。各項目10問までは無料です。
この記事は、消防試験研究センターの公表(2026年10月26日に確認)をもとにしています。手数料・申込みの方法などは変わることがあるので、受験の前に、必ず最新の受験案内で確認してください。
この記事の項目で、問題を解く
よくある質問
- Q.乙4は何問正解すれば合格ですか。
- 科目ごとに60%以上が必要で、法令15問中9問以上、物理化学10問中6問以上、性質消火10問中6問以上です。合計点ではなく、3科目すべてで基準を満たす必要があります。
- Q.乙4の受験に資格や条件はありますか。
- ありません。乙種は誰でも受験でき、年齢や国籍の制限もありません。住所や勤務地に関係なく、希望する都道府県で受験できます。試験手数料は5,300円(非課税)です。
- Q.乙4の試験で電卓は使えますか。
- 使えません。試験会場では、電卓・定規類・スマートフォン・スマートウォッチなどの機器は使えません。計算問題は手で解くので、簡単な計算を正確にする練習をしておきましょう。
まずは、今日の10問から。
乙4なびは、危険物取扱者試験(乙種第4類)の全33項目を、10問ずつ学べる学習アプリです。登録なしで、そのまま試せます。
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参考にした公的な情報
この記事は、法令や公開されている情報をもとに、乙4なびが独自にまとめたものです。試験の最新情報(試験日、時間割、合格基準、法令の基準日など)は、実施団体である一般財団法人 消防試験研究センターの受験案内で、必ずご確認ください。運営者・編集方針は乙4なびについてをご覧ください。